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使わない頂き物、心穏やかに整理する小さな一歩

Tags: 生前整理, 片付け, 頂き物, 手放す, シニア

頂き物は、どのご家庭にも自然と集まってくるものではないでしょうか。お歳暮やお中元、旅行のお土産、お祝いやお見舞いの品など、様々な場面でいただく機会がございます。

一つ一つに贈ってくださった方の温かいお気持ちが込められており、すぐに使わなくても「いつか使うかもしれない」「せっかくいただいたのだから大切にしなければ」と感じ、なかなか手放せずにいらっしゃる方も多いことと存じます。気がつけば、タンスや棚の奥にしまい込んだまま、何年も経ってしまった品々もあるかもしれません。

これらの頂き物を整理することは、少し心に負担がかかる作業に感じられるかもしれません。しかし、これから先の暮らしをより身軽に、心地よく過ごすために、少しずつ向き合ってみることは、ご自身のペースで無理なく進められる大切な生前整理の一環となります。

この記事では、使わない頂き物を心穏やかに整理するための、小さな一歩を踏み出すヒントをお伝えいたします。

なぜ頂き物は手放しにくいのでしょうか

頂き物が溜まりやすい背景には、いくつかの理由がございます。

これらの感情は、決して特別なことではございません。多くの方が同じように感じていらっしゃいます。ご自身の気持ちを責めることなく、「そう感じているのだな」と受け止めることから始めてみましょう。

整理を始める前の心構え

いきなりたくさんの頂き物と向き合う必要はございません。まずは、心構えを少し整えてから始めてみましょう。

小さな一歩から始める頂き物整理の手順

それでは、具体的な手順を見てまいりましょう。

ステップ1:対象を決める

まずは、整理する場所を限定しましょう。「この棚のこの一段だけ」「この引き出しの中だけ」のように、ごく狭い範囲から始めてみてください。範囲が小さいと、終わりの見通しが立ちやすく、達成感も得やすくなります。

ステップ2:一旦全て出してみる

対象と決めた場所から、中のものを全て出してみましょう。何が入っているかを確認するだけでも、現状を把握することができます。埃を払うなど、簡単なお手入れをしながら進めるのも良いでしょう。

ステップ3:分類する

出したものを、以下のいずれかに分類していきます。

最初から完璧に分けようとせず、ご自身の直感で分けていくので十分です。

ステップ4:使わないものをどうするか考える

ここで、「使わないもの」に分類された品々と向き合います。すぐに「捨てる」と決めなくても大丈夫です。捨てる以外にも、いくつかの選択肢がございます。

ステップ5:迷うものを一時保管する

「迷うもの」は、すぐに決めなくても大丈夫です。別の箱や場所にまとめて、「保留ボックス」のようなものとして一時的に保管しておきましょう。そして、「〇ヶ月後に見直す」など、期限を決めておくと、後回しになりすぎることを防げます。時間をおいて見直すと、気持ちが変わって判断しやすくなることもございます。

感謝を込めて手放すということ

頂き物を手放す際に大切なのは、「もらったのに申し訳ない」という罪悪感ではなく、「素敵な品物をありがとう」という感謝の気持ちに焦点を当てることです。

品物自体は、あくまで感謝のお気持ちを形にしたものです。その品物を使わないからといって、お相手のお気持ちが否定されるわけではございません。頂いた時の喜びや、贈ってくださった方への感謝の気持ちこそが大切なのです。

手放すことで、その品物が本当に必要とされている場所で再び活躍したり、新しい価値を生み出したりする機会が生まれると考えることもできます。これは、お相手のお気持ちを次に繋げる、尊い行いと言えるのではないでしょうか。

ご家族と一緒に考えてみるのも

もし可能であれば、整理していることをご家族に伝えてみるのも良いかもしれません。思わぬ思い出話に花が咲いたり、品物について相談したりすることで、整理がよりスムーズに進むこともございます。無理強いはせず、あくまで選択肢の一つとして考えてみてください。

無理なく、あなたのペースで

頂き物の整理は、ご自身の心と向き合う時間でもあります。焦らず、一つ一つの品物に、そしてご自身の気持ちに丁寧に向き合いながら、あなたのペースで進めていくことが何よりも大切です。

小さな一歩から始めた整理が、少しずつお住まいをすっきりとさせ、心穏やかな日々に繋がることを願っております。